岡山動物がんセンター/三宅動物病院 | 岡山県井原市のイヌ・ネコ診療

GIST

盲腸に消化管間質腫瘍(GIST)が認められた犬の症例です。

ホームドクターでの検査で腸管に腫瘍があるとの事で当院を紹介、受診されました。
超音波検査やCT検査、FNA検査(腫瘍に細い針をさして細胞を採取する検査です)血液検査等を行いました。CT検査では下記のように腸管(白矢印)の壁から発生する直径8㎝大の腫瘤(黄矢印)が認められました。これらの検査結果からGISTが強く疑われました。

本症例は検査の後、手術により腫瘍を腸管と一緒に切除し摘出することにしました。
切除した後の腸の縫合方法は大きく2通りあります。一つは断端どうしを縫合する端々吻合術、もう一つは断端を塞ぎ腸の側面に新たに切開創をつくりそこで縫合する側々吻合術です。手間が増えますが腸の縫合断面径が調整しやすく通過障害が起こりにくいとされる惻々吻合術を本症例では実施しました。

本症例の腫瘍が大きく自壊がみられたため再発率の低下を期待しイマチニブという飲み薬を術後に継続投与したところ(現在は休薬しています)8カ月以上経過していますが再発はみとめられず元気に過ごしています。

GISTは腸管の壁にできる腫瘍でその多くは腸の外側にたんこぶの様にできます。そのため初期には腸の通過障害は起きにくく嘔吐や下痢などの症状が現れた時には本症例のようにかなり大きくなっている事が殆どです。
人に比べ犬ではまだまだGISTのデータが乏しく更なる研究が必要ですが以下の事は言えそうです。

  1. c-kit遺伝子の異常が腫瘍細胞の病的増殖に関連
  2. 遠隔転移が少ない 
  3. 手術で完全に切除出来ていれば再発率を抑える事ができ予後がよい
  4. CT検査が診断に有効

GISTは離れた臓器へ転移しにくい腫瘍であるため手術で完全にとり切ることができれば完治も期待出来ます。しかし大きくなった場合、腫瘍の表面が割れそこから腫瘍細胞が隣接する組織に転移しやすくなります。そのためGISTでは早期発見、治療できるかが予後を大きく左右します。
ただしGISTは先に述べた通り症状が現れにくく飼い主様が気付きにくい病気です。GISTに限らず全ての病気にも言える事ですが一見健康にみえる動物でも普段から定期検診を行い病気の早期発見に努めることがとても重要です。


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