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泌尿器外科

当院の泌尿器科について

泌尿器科は、腎臓、尿管、膀胱、尿道、前立腺などの疾患が対象となります。泌尿器疾患の症状というと、一般的には、多尿、頻尿、残尿感、血尿、尿漏れなどがあげられます。

しかし、同じ症状でも、じつは、内分泌疾患や子宮疾患、神経疾患、血液疾患だったということもよくあります。

また一見して泌尿器症状ではなさそうな、背中を痛がる、元気がない、吐き気がある、痩せてきた、便秘気味だ、などの症状の原因が泌尿器疾患であることも見受けられます。

これらを的確に診断するための検査として、必須となるのが尿検査で、さらに血液検査、X線検査、超音波検査などを必要に応じて行います。

これらによって診断がつかない場合には尿路造影やCT検査などを行う場合もあります。

尿検査は、自宅での自然排尿での採尿が最も動物に負担なく行えますが、病院で特殊な方法での採尿が必要な場合もありますので、まずはお電話等で適切な採尿方法をご相談ください。

■代表的な泌尿器科の病気

腎不全や尿路結石などが代表的な病気です。

当院では腎不全の早期発見のための検査から、

自宅でのケアも含めた総合的な治療を行っております。

尿路結石も点滴やお薬や食事療法などの内科的治療や対処しきれない、

重度のものに対しても、手術で直接結石を取り出せる体制を整えています。

また尿道の腫瘍などに対しても積極的に手術を行っています。

●慢性腎臓病(CKD)

腎不全とは、腎臓が何らかの原因で正常に機能しなくなる状態を言います。病気の進行により「急性腎不全」と「慢性腎不全」とに分けられます。

急性腎不全は、急な脱水、出血などの循環血液量の減少、尿管結石などによる排尿障害、腎盂腎炎などの感染症、エチレングリコール中毒などの中毒によっておきます。

一方、慢性腎不全は、老化や様々な腎臓の病気により、徐々に腎臓のネフロンと呼ばれる構造が減少し発症します。

症状は、嘔吐、食欲不振、体重減少、多飲多尿などです。

治療としては、慢性腎不全用特別療法食の利用、吸着剤や様々な薬の内服、脱水予防のための皮下点滴などで行います。

15歳以上の猫では80%が腎不全であると言われるぐらい、高齢でよく起こる病気ですので、高齢のわんちゃん猫ちゃんは年に1度は、血液検査や尿検査を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。

●犬の尿路結石

犬の尿路結石症は、結石が尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道にできる病気です。

症状のないこともありますが、場合により、なかなか治らなかったり、再発を繰り返すこともあり、一生処方食などの食餌管理が必要となることもあります。

結石の種類によっては食事療法で溶けることもありますが、溶けない結石も多く、その場合は手術が必要です。

特にオスでは結石が尿道に詰まると重篤な症状を引き起こすため注意が必要です。

●尿道閉塞

尿路結石が尿道につまってしまい、全く尿が出せなくなる病気です。 特に尿道の細いオスに多くみられます。

尿道閉塞を起こしている動物では、繰り返し排尿しようとしますがつまっているため尿がでず、膀胱に尿がたまってしまいます。少量ですが血尿が出ることもあります。

この状態が続くと1~2日で急性腎不全と尿毒症が発生し、非常に危険な状態になります。

治療はまずは石を取り除くことです。ただし、尿道の損傷が重度だったり、石が取れない場合には、尿路変更術という手術をすることもあります。

また稀に腫瘍など他の原因で尿路閉塞を起こすこともありますので、診断には注意が必要です。

●尿管閉塞

腎臓にできた結石が尿管へと出て行き、つまってしまう病気です。

つまってしまった方の腎臓からは尿が出せなくなり、腎臓が大きく腫れます。

反対からは尿が出ているのですが十分ではなく、腎不全が進行します。また、つまった方の腎臓は大変痛みを伴います。

点滴をすることで圧がかかり尿管から膀胱へ石が移動することもありますが、手術が必要になることも多くあります。

ある程度尿管が太ければ尿管を切って直接石を摘出しますが、摘出が困難の場合、SUBシステムなどのカテーテルを用いて腎臓と膀胱にバイパスを作ることもあります。

●猫の下部尿路疾患

猫下部尿路疾患は膀胱から尿道までの下部尿路に起こる膀胱炎や結石症などの総称です。

頻尿、おしっこが少ししか出ない、血尿が出る、おしっこが濁る、トイレ以外の場所で粗相をする、落ち着きがなくなるなど、排泄に伴う様々な症状が見られます。

特にオスでは結石などにより尿道閉塞が起きることもあり、尿毒症や尿道損傷など重篤な症状を引き起こすこともあります。

●前立腺肥大

前立腺とは、膀胱をでですぐの尿道を取り囲んでいるオスだけにある生殖腺です。

前立腺肥大とは、主に去勢していない犬で年齢とともに男性ホルモンのバランスが崩れ、前立腺が大きく腫れてしまう病気です。

前立腺肥大の症状は頻尿や一回の尿が少ししか出ない等、膀胱炎に似た症状です。炎症が起こると強い痛みが起こることもあります。

去勢手術をする事で予防できます。また仮に前立腺が肥大していても、去勢手術を行うことで急速に縮小します。

しかし、症状が出る高齢で去勢するよりも、若いうちに去勢した方が安全ですので、当院では早期の去勢を勧めています

●犬の前立腺嚢胞

前立腺嚢胞は、前立腺肥大に伴い、前立腺の中に膿がたまる病気です。

前立腺肥大とは異なり、去勢手術だけでは治らず、内科治療でもなかなか治らないので、治療方法として、前立腺嚢胞を切除する手術が必要なこともあります。

もし血尿や排便障害などのがありましたら、この病気の可能性があります

●犬の前立腺がん

去勢しているワンちゃんで前立腺が腫れたり、去勢しても小さくならない場合は前立腺癌の可能性があります。

前立腺癌は人間のものと同様に非常に悪性度の高い腫瘍ですので積極的で素早い診断や治療が必要です。

診断には前立腺の生検やCTなどが以前から行われてきましたが、最近では遺伝子診断を行うこともあります。

治療は進行度によって変わりますが、根治を目指すならば手術が必要です。

当院では前立腺尿道全摘出術などの手術を行っています。


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