HOME > 病院紹介 > 症例紹介 > 症例

症例

犬のインスリノーマの外科切除
 インスリノーマの外科切除を行った犬の1例

シーズー 去勢オス、10歳

低血糖症状をしめし、CT検査で膵右葉にインスリノーマが疑われた症例に膵臓の部分切除を行った。

病理結果:膵島細胞癌(抗インスリン抗体陽性)

前立腺がん切除術
 前立腺がん切除を行った犬の1例

ミニチュアダックスフンド 去勢オス、10歳

血尿を主訴に来院されました。
各種検査にて前立腺がんと診断した為、飼い主様とご相談の上
前立腺だけではなく膀胱と尿道を含めた全摘出術を行いました。

膀胱から陰茎まで一括で切除し、尿管を包皮内に転植しています。

その為、排尿は包皮内に持続的に行われるのでいつもはマナーパンツを履いて生活しています。
わんちゃん本人は特に気にする様子もなく経過は順調です。

なお、現在は化学療法を行っています。


咽頭部の腫瘍に対する集学的治療
 咽頭部に発生した組織球性肉腫に対し、外科的減容積・放射線治療・化学治療を実施した犬の1例

舌切除
 舌切除を実施した脂肪肉腫の犬の1例

舌の脂肪肉腫の切除を行った

鼻部切除術
 鼻部の切除を行った扁平上皮癌の猫の1例

扁平上皮癌の猫の、鼻部の切除を行った。


肝臓外側右葉、脾臓の全摘出術
 犬の肝臓外側右葉腫瘍と脾臓腫瘍を摘出した1例

犬の肝臓外側右葉腫瘍と脾臓腫瘍を摘出した。

前立腺全摘出および膀胱尿道吻合術
 前立腺全摘出および膀胱尿道吻合術を実施した犬の1例

前立腺癌を疑って前立腺全摘出および膀胱尿道吻合術を実施した。

腎結石摘出術
 腎結石の外科摘出術を行った一例

両側に形成された腎結石のうち、排泄性尿路造影を行い、腎血流量の少ない右側の腎結石の外科摘出術を行った。

膀胱に発生した移行上皮癌
 膀胱に発生した移行上皮癌の摘出と尿管移植術を行った一例


膀胱粘膜に腫瘍の浸潤が認められた。

片側骨盤切除および断脚術
 左側骨盤の脂肪肉腫に対し、片側骨盤切除および断脚術を実施した一例


上顎に発生した悪性黒色腫(メラノーマ)
 上顎骨第4前臼歯付近に発生した悪性黒色腫の上顎骨部分切除術の一例


肛門周囲骨肉腫の一例
 肛門周囲に発生した骨肉腫の緩和を目的とした部分切除の一例

10才のミニチュアダックスフンドの女の子です。
肛門左に発生した腫瘤が次第に増大し、排便困難となりました。

術前に病理検査およびCT検査を行い、骨肉腫と診断されました。
その際複数の転移病巣も確認されました。

そのため、完治目的ではなく、排便困難などの症状の緩和を目的に
肛門周囲の骨肉腫部分切除術を実施しました。

手術は肛門や尾の機能の温存を考慮して行い
皮膚の欠損部は皮弁を利用し縫合しました。

術後は排便困難は改善し、術創の回復も良好でした。


SUBシステム
 SUBシステムを用いた症例

尿管の縫合は難易度が比較的高く狭窄などの合併症が出ることも多い手術です。
SUBシステムは尿管の代わりに設置する医療器具です。手技は容易で再閉塞のリスクも軽減出来ます


鼻鏡に発生した扁平上皮癌
 扁平上皮癌に対して鼻鏡切除、上顎骨切除を行った2症例

鼻鏡に発生した扁平上皮癌に対し外科手術を行った症例です。
外貌は大きく変わってしまいましたが術後1年近くたつ今も良好な一般状態を維持できています。


肺腫瘍切除
 肺に発生した腺癌を切除した一例

レントゲンで肺に腫瘍が発見された症例です。
術前にCT及びCT下針生検を実施し、腺癌との診断でした。
開胸し、肺葉切除術を実施しました。
腫瘍は完全切除でしたが脈管内浸潤の可能性があったため、抗がん剤の投与を行っています。
現在の所経過は良好です


水頭症チワワ脳室腹腔内シャント術
 ふらつき等の神経症状に対して脳内腹腔内シャント術を行った一例

ふらつきや突然倒れるなどの神経症状が見られたチワワに対し、脳室腹腔内シャント術を行いました。
経過を観察中ですが、現在までのところ症状の改善が認められています。


右胸壁血管肉腫切除術を行った一例
 肋骨に付着した腫瘍切除と横隔膜前進術とあわせて胸壁再建を行った一例

犬 ボルゾイ 8歳 ♂

右胸壁に腫瘍があるとの事で当院を紹介、受診されました。
病理検査及びCT検査をおこない、右7~9肋骨に付着した血管肉腫と診断しました。

手術では、肋骨に固着している腫瘍を周囲肋骨とともに切除。
その後、横隔膜前進術とあわせて、人工材料をを用いての胸壁再建を行いました。

術後は呼吸は安定しており、レントゲン上でも異常は認められませんでした。
現在は化学療法を実施しております。

犬種による独特な体型と腫瘍の大きさのため、切除後の胸壁再建に苦慮した一例です。


骨肉腫の緩和的骨盤切除術の一例
 腸骨翼に発生した骨肉腫に対し、集学的治療と緩和的骨盤切除術を行った大型犬の一例

骨盤より発生した骨肉腫に対し手術を行った一例です。
腫瘍は巨大で、排尿や排便の障害が起こっていました。
腫瘍の部分切除手術を行った後、放射線療法や抗がん剤治療などを行い、術後数ヶ月にわたり落ち着いていました。(詳しくは、2012年9月に紹介の動画症例『骨盤骨肉腫に対し外科治療を行った一例』を参照)

その後、排尿や排便の障害が重度となったため、飼い主様と相談の上、後肢の断脚及び骨盤を部分切除した上で、骨盤より発生した骨肉腫の切除手術を行いました。

術後、3本肢でもしっかり歩行でき、生活は落ち着いています。


頚部腫瘤の二例
 甲状腺腫瘍と非腫瘍性で治療法が大きく異なった犬の二例




尿道再建術の一例
 交通事故による尿道断裂に対して尿道移植を行った一例

交通事故では、尿道や膀胱が傷つく事があります。
一般的には膀胱破裂が多いのですが、時折尿道や尿管が断裂する事があります。

今回の患者さんは事故直後の検査で膀胱の損傷がなく、大丈夫と思われましたがその後尿道断裂が見つかりました。
前立腺の出口あたりで断裂していたため、通常の形への再建が困難でした。
そのため、残った尿道を包皮の中に通し、尿道移植を行いました。
その後少し尿が漏れる事があるようですが、経過は良好です。

交通事故の際の尿道や膀胱などの損傷は、骨折とは異なり、緊急手術が必要になります。
事故の後にはおしっこがきちんと出ているか確認する事が重要です。


尿道がんの緩和的ステントの一例
 尿道進行がんによる排尿困難に対して緩和的ステント術を行った一例


多発性骨髄腫の一例
 多発性骨髄腫に化学療法(抗がん剤)を行い良好なQOLを維持している一例

犬の背骨に出来た、多発性骨髄腫に化学療法(抗がん剤)を行い良好なQOLを維持している一例です。

レントゲンでは病変部の骨が溶けており、本来ならば白い骨が黒く写っているのがわかります。
CTを撮影すると、より骨が溶けているのがわかります。
多発性骨髄腫は、抗がん剤を使うことにより、うまく症状を抑えコントロールすることが出来ます。


無色素性口腔内メラノーマの一例
 進行性の無色素性口腔内メラノーマに対し、集学的治療を行った犬の一例

犬の口腔内、頬の内側にできた進行性の無色素性メラノーマに対し、集学的治療を行った犬の一例です。

超音波組織乳化吸引装置にて腫瘍を摘出後、放射線照射・抗がん剤治療を行いました。

口腔内のがんでも、超音波組織乳化吸引装置・放射線・抗がん剤を組み合わせることにより、小さく手術することができます。


会陰部の腫瘍症例
排便排尿困難を示す陰部の腫瘍症例に対して、根治的外科切除を行った犬の一例です。

犬 M.ダックス 8歳 メス 未避妊
会陰部(お尻付近)に腫瘍があるとの事で当院を紹介、受診されました。

手術では、会陰部及び膣部の腫瘍を切除すると共に、避妊手術を実施しました。

膣部の腫瘍は、発育に卵巣ホルモンの影響が大きいとされ、避妊手術により卵巣を摘出した場合、発生が非常に少なくなります。
また、避妊手術は、子宮蓄膿症の予防や、乳腺腫瘍の発生を抑えることにもつながるので、 早い年齢での避妊手術を行ってあげることで、わんちゃんがより健康で長生きしていけることにつながります。


胸壁の軟部組織肉腫に対し外科治療を行った一例

犬 雑種 13歳 メス
左胸壁(肋骨)に腫瘍があるとの事で当院を紹介、受診されました。

手術では、まず、胸壁の腫瘍を切除しました。
その後、腫瘍が肋骨に固着していたことから、再発を防ぐため、固着していた肋骨を周囲の筋肉を含めて切除しています。

体の表面には、わずかに確認出来る程度の小さな腫瘍でも、悪いものであれば体内にどんどん広がったり、 ほんの少し残っているだけでも再び大きくなってしまいます(再発)。
再発した腫瘍を全て切除する手術は難しいことから、腫瘍の切除手術では初回の手術でできるだけ再発を起こさないように腫瘍及びその周辺組織を取り除くことが大切です。


胃小腸バイパス術を施した十二指腸腺癌疑いの犬の一例

犬 14歳 雑種 雄
慢性嘔吐を主訴に来院され、内視鏡検査を実施したところ十二指腸腺癌が疑われた。
開腹手術を行い、十二指腸病変部の切除生検および胃と小腸のバイパス術を実施。

がん検診と早期のバイパス手術を実施したおかげで、良好な経過が得られた症例です。


骨盤骨肉腫に対し外科治療を行った一例

骨盤より発生した骨肉腫に対し手術を行った一例です。
腫瘍は巨大で、腹腔臓器への重度圧迫により、排尿や排便の障害が起こっていました。

腫瘍は座骨付近に浸潤しており、尿道を巻き込んでいました。
完全切除には断脚および骨盤の一部切除が必要でしたが、
出来るだけ四肢を温存したいとの飼い主様が希望されたため
腫瘍の部分切除を実施し、骨盤に残存した腫瘍基部に対し高線量の放射線療法を実施しました。
手術に際してはCTの情報が非常に有用でした。
術後数ヶ月経ちますが再増大も認められず順調に経過しています。

術後、一時は尿道の損傷のため排尿障害が認められましたが、
飼い主様の献身的な介護のかいもあり、現在は落ち着いております。

外科困難に見えても可能性を否定しない事が重要だと思った症例です。


脾臓縫合糸反応性肉芽腫の一例

腹部に腫瘍があるとの事で来院されたダックスフントの女の子です。

検査で脾臓に塊がある事がわかり手術を行いました。
脾臓は腸などの臓器と癒着しかけていました。

結果は腫瘍ではなく炎症が原因でした。
おそらく以前の手術の傷跡がきっかけだと思われます。

現在は元気よく生活しており、再発もありません。

ダックスフントなどでは手術時に使った糸などに反応して炎症が起きる事があります。
当院では反応しにくい糸を使っていますが、それでもごくまれに起こる事があると言われます。

異常を感じたら出来るだけ早く検査などで確認する事が重要だと思います。


鼻腔内腫瘍に対する外科処置

慢性、難治性のクシャミ鼻水や鼻出血が症状の症例です。

CTと生検により鼻腔内の悪性腫瘍と診断しました。
治療は鼻の骨を一時的に切除し、肉眼にて確認しながら、超音波乳化吸引装置にて出来るだけ腫瘍を取り除き、残りに対して放射線照射を行いました。
処置後に骨を戻し、縫合しました。

処置後は鼻水や鼻出血がへり、戻した骨も元通りになりました。


GIST

盲腸に消化管間質腫瘍(GIST)が認められた犬の症例です。

ホームドクターでの検査で腸管に腫瘍があるとの事で当院を紹介、受診されました。
超音波検査やCT検査、FNA検査(腫瘍に細い針をさして細胞を採取する検査です)血液検査等を行いました。CT検査では下記のように腸管(白矢印)の壁から発生する直径8㎝大の腫瘤(黄矢印)が認められました。 これらの検査結果からGISTが強く疑われました。

本症例は検査の後、手術により腫瘍を腸管と一緒に切除し摘出することにしました。
切除した後の腸の縫合方法は大きく2通りあります。一つは断端どうしを縫合する端々吻合術、もう一つは断端を塞ぎ腸の側面に新たに切開創をつくりそこで縫合する側々吻合術です。 手間が増えますが腸の縫合断面径が調整しやすく通過障害が起こりにくいとされる惻々吻合術を本症例では実施しました。

本症例の腫瘍が大きく自壊がみられたため再発率の低下を期待しイマチニブという飲み薬を術後に継続投与したところ(現在は休薬しています)8カ月以上経過していますが再発はみとめられず元気に過ごしています。

GISTは腸管の壁にできる腫瘍でその多くは腸の外側にたんこぶの様にできます。そのため初期には腸の通過障害は起きにくく嘔吐や下痢などの症状が現れた時には本症例のようにかなり大きくなっている事が殆どです。
人に比べ犬ではまだまだGISTのデータが乏しく更なる研究が必要ですが以下の事は言えそうです。

  • c-kit遺伝子の異常が腫瘍細胞の病的増殖に関連
  • 遠隔転移が少ない
  • 手術で完全に切除出来ていれば再発率を抑える事ができ予後がよい
  • CT検査が診断に有効

GISTは離れた臓器へ転移しにくい腫瘍であるため手術で完全にとり切ることができれば完治も期待出来ます。 しかし大きくなった場合、腫瘍の表面が割れそこから腫瘍細胞が隣接する組織に転移しやすくなります。そのためGISTでは早期発見、治療できるかが予後を大きく左右します。
ただしGISTは先に述べた通り症状が現れにくく飼い主様が気付きにくい病気です。 GISTに限らず全ての病気にも言える事ですが一見健康にみえる動物でも普段から定期検診を行い病気の早期発見に努めることがとても重要です。


片側乳腺全摘出術

犬 7歳 未避妊雌

右側乳腺にしこりがあるとの事で来院されました。
右側の複数の乳腺にしこりがあったため右側の乳腺を手術で全部摘出しました。
その際、子宮卵巣摘出手術も合わせて行っています。

乳腺の腫瘍はいずれも良性でしたが反対側にも出来る可能性があるので今後も定期的なチェックが必要です。
犬の乳腺腫瘍は約半数が悪性です。
しかし2回目の発情までに子宮卵巣摘出手術を実施すれば乳腺腫瘍を90%以上予防することが可能です。
早期の避妊手術は子宮蓄膿症、乳腺腫瘍の予防としてとても大切です。


犬の前立腺癌骨転移の1例

犬の前立腺癌で肩甲骨に骨転移をした症例です。

初診時、左前肢の跛行で来院されました。
家では跛行が見られたようですが、院内では跛行はみられず腫脹部位もありませんでした。
レントゲン・超音波・血液検査などを行いましたが、明らかな病変は見つかりませんでした。

対症療法にて改善が見られなかったため、精査のため数ヵ月後CT・MRI検査を行いました。
CT検査にて左前肢肩甲骨に病変がみつかりました。(このときもレントゲンを行いましたがレントゲンでは見つかりませんでした)

肩の病変の病理組織検査の結果は転移性癌でした。

前立腺癌は骨やリンパ節に転移しやすい癌で、原発巣よりも転移先病巣の方が大きくなることがある癌です。
今回の症例も、先に前立腺癌の症状や腫脹はみられず、転移先の病巣で跛行が見られていました。
診断が非常に難しかった症例でした。


口蓋内メラノーマ

12歳 雑種犬の男の子

口蓋に直径4cmの腫瘤が見つかり、病理検査では悪性黒色腫(メラノーマ)と診断。
減容積手術と放射線治療を行ったあと、抗がん剤療法を約半年間行い、現在は再発転移もなく良好に経過しています。

今後、再発が見られないか経過観察が必要です。


皮膚肥満細胞腫、脾臓高分化型リンパ腫、肝臓がんの重複腫瘍の症例

皮膚の腫瘍の検査をした際、腹部の腫瘍が見つかった症例です。

CTや病理検査などを行い悪性腫瘍と診断したため手術を行いました。
それぞれ全く別の腫瘍でした。

現在は手術後の抗がん剤も一段落し、元気に生活していらっしゃいます。
確実な検査と診断が重要に思われた症例でした。


膀胱リンパ腫

犬の膀胱にできたリンパ腫の症例です。

最初は血尿で来院されました。
膀胱内のリンパ腫が骨盤のすぐ下にあるリンパ節にも転移しており、リンパ節がパンパンに腫れていました。
そのため排便排尿障害がありましたが、ロムスチンという抗がん剤の効きが非常によかったため、腫瘍は縮小し排便排尿も元通りになりました。


胸壁の血管肉腫

胸壁(肋骨)に出来た犬の血管肉腫の症例です。

腫瘍は非常に大きくなっており、肋骨は腫瘍により溶けていました。
また肺への転移もみられました。
肋骨を一本取る大きな手術になりましたが、ワンちゃんのがんばりもあり、術後の経過は良好でした。

体の表面にできる腫瘍は最初は大変小さいものですが、悪いものであればどんどん大きくなってしまいます。
みなさんも、早期発見・治療ができるよう、体をよく触ってあげてくださいね。


腹腔内巨大腫瘤

お腹の中に巨大な腫瘍が見つかった犬の症例です。
数カ月前から食欲が徐々になくなり、吐き気があるということで紹介来院されました。

検査を行い、脾臓に発生していることがわかり、手術を行いました。

とても大きな腫瘍でしたので悪性の癌かと考えていましたが、検査の結果は良性(脾血腫)でした。

良性であったため、手術後の経過も非常に良好で、体重も元通りになりました。


直腸プルスルー法

排便時に腸が出て来たり、血液が付着するといった主訴で来られたワンちゃんの症例です。

直腸のポリープを肛門から引き抜くような形で摘出しました。
ポリープの範囲はかなり広く、大きくて、10センチ程の長さがありました。

手術後は出血、直腸の脱出もなく、良い便がでています。


外科と放射線療法を併用した犬の血管周皮腫

最近咳き込むことが多く、急に痩せてきたという主訴の犬の症例です。

血管周皮腫と診断され、2度の外科手術を行いましたが再腫大したとのことで、当院へ紹介来院されました。 腫瘍は広範囲に浸潤していたため、拡大切除を必要とし、縫合は三方向から前進皮弁を形成しました。

抜糸後ただちに放射線療法を開始し、1回3Gyを週に3回、総線量36Gyを照射しました。
術後11カ月再発所見は見られませんでした。


肺癌針生検

最近咳き込むことが多く、急に痩せてきたという主訴の犬の症例です。

レントゲン検査にて左肺に腫瘤を確認。
CT検査下にて肺腫瘤に針生検を実施。
病理検査では気管支腺癌と診断される。
開胸手術を勧告したが、心電図で異常が見つかり心臓洞房結節異常と診断される。

そのため手術できず、カルボプラチン(抗がん剤)投与のみを実施。
今回の症例ではCTを駆使した針生検によって診断が得られた症例でした。




猫背骨腫瘍

猫の棘突起にできた骨肉腫の症例です。

背骨にしこりがあるということで来院され、Tru-cutにて軟骨肉腫と診断される。
CTにて背骨の棘突起に骨増生が見られたため、手術にてできるだけ棘突起を摘出。
抜糸後、放射線を骨増生部分に総計40Gyを照射。
その後、カルボプラチン(抗がん剤)を約半年間投与実施。

今回の症例では術前のCTにて顕著な骨増生が見られ、手術がスムーズに行えた症例でした。


椎間板ヘルニア

CTを導入して約1年経ちました。
当院のCTは決して最新のものではありませんが様々な病気の診断に役立っています。

動画は椎間板ヘルニアの症例で行ったCTの画像です。
CTとOsirixというソフトを組み合わせ3D画像を構成しています。

これからも更に様々な症例で活用して行きたいと思います。


猫の鼻腔内リンパ腫に対する放射線治療

鼻の奥にリンパ腫というガンができた猫ちゃんの症例です。
化学療法を実施していましたが、顔面の変形が見られるようになり放射線治療のため当院へ来院されました。

放射線4Gyの3回照射を行いました。
2回照射後に顔の変形もなくなり、嗅覚も戻ってきました。

猫ちゃんの鼻の腫瘍は時おり見受けられます。
鼻炎や鼻出血といった症状がなかなか治らないことがあれば、一度がん検診を受けてみましょう


胃がん切除Billroth-1法

他院では嘔吐が管理できず、肝臓の周りに腫瘤があるという事で紹介されていらっしゃいました。
当院の検査で胃腫瘍が見つかり、Billroth-1法で胃切除を行いました。

術後は吐き気が無くなり、元気食欲も旺盛、もとの元気だったわんちゃんに戻られて飼い主さんも大満足でした。


右下顎骨に発生した悪性黒色腫切除術

下顎に発生したメラノーマによりあごの骨が溶解・露出していました。
痛みと化膿が強いのでそれを制御するため下顎切除を行いました。

術後は舌が収まらなくなってしまいましたが、ワンちゃんは痛みから解放されて、自分の口で食べられるようになり経過も極めて良好です。

口腔周囲にしこりを見つけられたら早めの診察をお勧めします。治りますよ!!


副腎腺癌の外科手術

副腎腺癌のわんちゃんです。
副腎摘出術を行いました。

副腎皮質機能亢進症のため、肥満や目の変化があります。
副腎はおなかの深い所にあるので止血も特別な器具を使いました。

このわんちゃんについては2007年動物臨床医学会にて、院長が発表を致しました。


口腔内扁平上皮癌の治療

口腔内に発生した扁平上皮癌に対し手術を行い、
その後、放射線照射を行いました。

腫瘍は上顎切歯を巻きこんでおり、手術では切歯とその基部の骨も切除しましたが比較的顔面の変形もなく行えました。

現在の所、経過も良好です。
今後は再発に注意しながら抗がん剤を続ける予定です。


スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症

スコティッシュフォールド 1歳
避妊メス 3種混合ワクチン済み

後ろ足が痛いという主訴で紹介元病院を受診。
レントゲン検査にて後ろ足に骨増生を認め、スコティッシュフォールド特有の遺伝子疾患である骨軟骨異形成症と診断される。
痛み止めなどで様子を見るが改善再発を繰り返し、紹介元病院に放射線照射の提案を受け、当院を紹介される。

当院では追加検査として腫瘍を除外診断するため骨増生部位の病理検査を実施。
経歴および検査によりスコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症と診断し、緩和的照射として放射線照射を実施。

☆放射線照射後の様子☆

放射線照射前はあまり動かず後足のびっこをひく状態だったが、放射線照射後は少しずつ改善していき、痛み止めなしで普通の生活をできるようになった。

スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症の治療法はいまだ確立されておらず、今回の放射線照射は2004年に報告された論文に基づき照射しました。
今回の症例は骨軟骨異形成症に対する放射線照射は今後治療の選択肢となりうる可能性を秘めていると思いました。


大型犬の骨肉腫に対する断脚術

以前行った断脚術の様子です。
右後肢の骨肉腫のため、痛みが続いていましたが断脚後は痛みもなく良く歩くようになりました。
この症例は残念ながら肺への転移によってなくなりましたが、亡くなる直前まで非常に元気に歩いていたそうです。

足がないのは一見不便そうですが、実際は痛みのある足を残すより、取ってあげた方が楽になります。


脊髄腫瘍に対しての放射線照射

犬、ボクサー、3歳、メス
ワクチン、フィラリア予防済み

右前後肢がふらつくということで来院。
大学病院に精査を依頼しMRI検査を行いました。
その結果、T2強調画像よりC2-4領域に高信号、造影T1強調画像で造影効果が認められ、 脊髄腫瘍と仮診断される。
そこで、当院にて同部位への放射線照射を行った。

☆放射線照射前後の様子☆

放射線照射前は右前後肢とも反射が悪く、足を地面に着こうとせず立ち上がるのを嫌がっていた。
週3回の放射線照射を3週間行った結果、右前後肢とも反射が良くなリ、普段の散歩ができるレベルにまで回復した。
今では普段通りの生活をしています。
この症例もまた放射線照射の有効性が示された症例でした。


肛門周囲の悪性メラノーマ

シェルティ、13才、メス
ワクチン、フィラリア予防済み
肛門周囲に腫瘤があり、排便困難があるとのことで当院に来院。
検査の結果、悪性メラノーマと診断し切除手術を行った。

☆手術及び放射線照射の様子☆

腫瘤は、肛門周囲の筋肉に重度に固着しており、完全切除が困難だったため、術後に放射線照射を行いました。


ソノペットを用いた肝臓がん切除

柴犬、9才、オス
ワクチン、フィラリア予防済み

体調不良のため検査を行った際、腹腔内に肝臓腫瘍を確認。
切除手術を行った。
手術には超音波破砕吸引装置(ソノペット)を使用しました。

☆手術の様子☆

腫瘍は大変大きく、ソノペットの利便性を実感した症例でした。
現在は無事退院しており、元気に過ごしています。
今後は化学療法なども行う予定です。



PageTop